不祥事企業にみる内部通報制度の充実策

田辺三菱製薬が、子会社バイファによる医薬品の試験データ改ざんで厚生労働省から一部業務の停止命令を受けた問題で、職業倫理観を高める研修の実施など再発防止策を盛り込んだ業務改善計画を発表しています。

その中から内部通報制度について触れている部分をみてみたいと思います。

業務改善計画内で、内部通報制度が機能しなかった理由として、バイファ社においては、独自の内部通報制度を設けていたものの、ホットラインの窓口が同社社長であったこと、従業員数が少ないことによる秘密の保持に対する不安(通報者特定の可能性)から内部通報制度が利用されなかったのでは、と記しています。

それを受けて、今後はバイファ社独自の窓口を廃止し、グループ窓口への一本化や、制度の周知を指導し、大阪のみに設置していた社外窓口を東京にも設置し、通報可能時間帯の延長などの是正措置をとるとしています。

また、グループの取組みとして以下のような対応を実施するとしています。

内部通報制度の活用を考えている企業にとっては参考となるかと思います。

以下、田辺三菱製薬の業務改善計画より引用

5.信頼性回復に向けての当社グループ全体での取組み
(4)従業員にとって使いやすい内部通報制度(ホットライン)の整備
1)通報者の秘密保持及び不利益を被ることの危惧払拭のための取組み
・コンプライアンス研修を通じたホットラインの周知徹底
ホットラインの概要、使用状況、使い方、相談内容や改善状況の実例等によるホットラインに対する従業員の理解の深化
・ホットライン対応事例の周知
通報に対する実際の対応事例を示すことを通して、通報者の保護を第一に考え、通報者の意向に沿って事実確認等を行い、かつ公平性を確保していることを周知
2)ホットライン利用向上のための便宜向上の措置
従業員がホットラインを使いやすくするために、就業時間外の受付時間設定、フリーダイヤル化等の措置を講じます。
3)ホットライン制度の周知の範囲拡大
製造委託先や業務委託先等の社員が当社ホットラインを利用することによる不利益を被らないことを確認した上で、取引先等の従業員にも当社ホットライン制度を周知し、通報を促します。

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